取材後の対応のコツは?メディア関係者が広報担当者に抱く4つの不満と本音を大暴露

取材後の対応のコツは?メディア関係者が広報担当者に抱く4つの不満と本音を大暴露

「取材前」や「取材当日」に向けて全力で準備する広報担当は多いですし、その準備をするための方法論もある程度確立されています。

しかし、「取材後」となると広報担当の気が抜けやすいです。「取材後に何をすべきか・何をしてはいけないのかのマニュアル」も確立されていないようにも思えます。
また、「取材が終わった」ということで、妙に気が大きくなる広報担当もいます。

そこでここでは、「メディア関係者が抱く4つの本音【取材後編】」と題して、色々と解説していきます。

 

本音1:「記事が出る時期」を聞いてくる広報とは二度と仕事をしたくない!

まず、記者の立場になって考えてみると、「ねえ、いつ?いつ?いつ載るの?」と言われているわけですから、気分が良いはずがありません。

それから、そもそも「記者本人に掲載時期、掲載するかどうか、を決めることはできない」ということもあります。

例えば、新聞の場合、

・記者が原稿を作る→上司(デスク)が記事にするかどうか判断する→どこかのタイミングで記事になる(もしくはボツになる)」

という流れになるのが普通です。

そのため、
「いや、記者である私にも分からないんですよ」という穏やかな感情に留まらず、
「俺だって、記事にしてもらえるかどうか不安なんだよ!いつもボツになって悔しい思いをしてるんだよ!何も知らない広報がガタガタ言うな!」くらいの気持ちにはなる可能性があります。

色々と解説しましたが、とにかく「記事の掲載については相手も知らない」が鉄則です。

 

2:「掲載前に記事を見せてほしい」なんて言ってくるな!

・変な記事が出たら困る
・記事にミスがあれば広報としての信頼が損なわれる
・事前に記事のチェックができないと社長に怒られる

など色々な理由で、「掲載前の記事確認」をしたがる広報担当が多いです。

ですが、マスコミの世界(特に新聞業界)には「編集権」というものがあるので、「できた(できかけている)記事に口出しさせろ!」と外部から言われることを、かなり嫌っています。

編集権とは、「編集関係者がものごとを自由に報道・評論・編集したりする権利」のことであり、この権利を行使することで「正しい、フェア、偏りのない記事」を作ろうとしています。そんな神聖な領域に外部の人間を入れたくないのです。

例えるならば、あなたの家に突然他人が上がり込んできて、「悪趣味ね」「模様替えしたら?」などと言ってくるようなものなのです。

ですから、「広報担当が口出しして良いのは、『取材後の打ち合わせ』までである」と考えておきましょう。

 

3:記事の修正をしろとは言ったけれど、ここまでしろとは言ってないよ!

しかし「雑誌」などの場合は、「報道」には分類されにくいためか、記者のほうから「原稿ができたので、確認してください」と言ってくる場合があります。(言ってこないのであれば、やはり記事の事前閲覧はできません)

そのときは、たとえ面倒だと思っていたとしても必ず引き受けましょう。

ただしここでチェックすべきなのは、

・固有名詞
・会社名
・人名
・住所
・売上等の数値

などの「事実関係」と「数的データ」だけです。

隅から隅まで修正して原稿を真っ赤にしたり、細かな文法まで修正したりする広報が少なくありません。それでは、先ほど紹介した「編集権の侵害」をする事になってしまいます。

「数的データ」であっても、多少は「間違えていても影響がないもの」に関してはスルーしてもいいくらいです。

 

○4:記事に対して苦情を言われても困るし、訂正文出せとか何様なんだよ!

掲載された記事に対してクレームを出したり、訂正文を要求したりして良いのは、「クレームを出したり訂正文を要求したりしないと、直接的に売上に響いたり、名誉が著しく損なわれたりする場合」のみです。

したがって、基本的にクレームを出したり、訂正文を要求したりするのはNGです。
(大企業など、立場が強い場合を除く)

「どうしてここまで下手に出なければならないんだろう」と感じたかもしれませんが、理由は簡単で「マスコミに嫌われると大ダメージになるから」です。

一つの新聞社に嫌われるだけならまだしも、「この会社の広報は危ない人間だから無視したほうがいいですよ」などと業界内で知れ渡ってしまい、二度と新聞社からの取材を獲得できなくなる可能性さえあります。理不尽に思えるかもしれませんが、それが現実です。

 

記事内容に誤りがあった場合はむしろチャンス!

ただし、記事内容に間違いがあった場合でも完全に放置しなくてはならないというわけではありません。

誤りがあったときは、記者にきちんと伝えましょう。ここでポイントとなるのが、「優しく伝えること」と、「ただ伝えるだけに留める」ということです。

前者については当たり前ですよね。記者として、と言うよりも人として当たり前の部分です。
ただし、「言葉を濁し過ぎてどこが間違っていたのかが伝わらない」という事がないようにしましょう。

後者については、つまり「誤りがあった事は伝えるものの、謝罪や訂正は全く求めない」ということです。
これにより広報担当としての「器」の大きさを見せることができます。

すると、記者は(言葉にするかどうかは分かりませんが)、「この広報(と企業)に借りができてしまったな……」と思うはずです。

そして、記者がどのような反応を示したとしても「今回は取材していただき本当にありがとうございました!また機会がありましたら、是非よろしくお願いします!」などと言いましょう。

すると、記者としても「この広報のネタ・プレリリースはできるだけ扱いたい(借りを返したい)」と感じるはずなので、次回以降(特に次回)、「取材してもらうためのハードル」が少し下がる可能性が高いです。

言ってみれば、「記事に間違いがあったほうがむしろチャンス」なのです。
これも、広報の技術として非常に大事な「メディア関係者との駆け引き」の一つです!

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