プレスリリースの文章・文体の注意点と構成のポイント10ヶ条
プレスリリースの文章・文体の注意点と構成のポイント10ヶ条
記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有のPRプランナー】上岡正明プロフィール
この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレスリリースの文章や文体面のポイントなどについてお伝えしていきます。
特に「内容(ネタ)には自信があるものの、文章としてはなぜか不安が残りやすい」という方や、「あまり気を遣わずに作成しているので、ポイントを知りたい」という広報・PR担当者におすすめの内容となっています。
本記事では、プレスリリースで重要なこと、そしてプレスリリースの文章・文体面のポイントなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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プレスリリースは内容(ネタ)が第一。ただし文章・文体面も大事
メディア関係者がプレスリリースを気に入るかどうかの比重は、やはり「内容(ネタ)」によるところが大きいです。例えば大手企業・有名商品だからといって必ず採用されるとは限らず、ベンチャー~中小企業であっても魅力的なネタであれば「ぜひ自分で扱いたい」とメディア関係者は思うものです。
しかしプレスリリースの内容がどれほど良くても、文章・文体に問題があればそもそも読んでもらえなかったり、「常識がない広報・PR担当者」とみなされてスルーされる恐れがあります。そのため内容だけでなく、文章・文体にも気を配りましょう。
文章・文体以外では、メール関連のマナーなどにも気を遣う
文章・文体以外では、プレスリリースを添付するメール関連のマナーにも気を遣いましょう。例えば件名や送信者名をわかりやすくする、PDF形式で添付する、問い合わせ先をしっかり書くなど。
いずれにしてもプレスリリースは内容以外のポイントも非常に多いので、一度しっかり学んでポイントを整理し、必要に応じて気を付けるべきことをリストアップすることも検討しましょう。
プレスリリースの文章・文体面のポイント10選
それではプレスリリースを作成するにあたって気を付けたい文章・文体面のポイントについていくつか紹介していきますのでぜひ参考にしてください。すでに触れていますが、内容自体は変わらなくても文章・文体面に大きな問題があると、それだけで印象が悪くなる可能性が高いです。
ポイント①:ですます調(+体言止め)
基本的に「ですます調」にしましょう。「だ、である調」と迷うかもしれませんが、一般の人が読むケースも考えると「ですます調」の方が無難です。
ただし「です~です~です」など同じ語尾が3回以上続いてしまう、強調したい部分があるなどの場合は「体言止め」も交えて構いません。ただ、この体言止めも多すぎると違和感が出るので、ここぞというところでのみ使いましょう。
「!」や「!?」も基本的に避ける
「!」や「!?」なども浮足立った印象になるのでプレスリリースで使う表現としては基本的に避けることをおすすめします。「!」がなくても内容のインパクトが強ければ、メディア関係者や一般人はきちんとそれを感じ取ってくれます。
ポイント②:1文(。)は80~120字程度まで。できれば60字まで
1文を80~120字くらいまで、できれば60字程度にまで抑えると読みやすくなります。たまに「1文が長い方が賢く見える」と思っている人もいるようですが、「読みにくい=賢く見えない」ですし、そもそも賢いと感じてもらうためにプレスリリースを作成するわけではありませんよね。
また、1文が短くなるとそれだけ文章に問題が起きにくくなるので、文章作成に自信がない方はまずここから気を付けてみてはいかがでしょうか。
ポイント③:1文に主語と述語をワンセットで入れる
徹底する必要はありませんが、できる限り1文に主語と述語をワンセットで入れることで読みやすくなります。その上で1文60字程度にすれば必然的にわかりやすい文章になるのです。
逆に複数の主語と述語を入れたり、どちらかを省略したりすると読みにくくなるので気を付けてください。小説などであれば主語や述語を省く技法も効果的ですが、「情報をわかりやすく伝えること」こそが目的のプレスリリースでするべきことではありません。
ポイント④:結論を先に
プレスリリースに限りませんが、結論を先に書くことを徹底しましょう。その上で順序立てて説明を加えていきます。
メディア関係者は多忙なので先に結論を知りたがりますし、プレスリリースをいきなり全部丁寧に読むこともあまりありません。つまり「まずはタイトルや見出し、各段落の最初の文章を読んで結論を……」と考えるのですね。
それにいざ文章作成の機会が多くなってくるとわかりますが、結論を先に置く方が書き手としても書きやすいです。最後の方に結論を持っていこうとすると途中で何を書いているのか見失ったり、微妙な矛盾が生じたりする可能性も上がります。
ポイント⑤:表記揺れをなくす
例えば同じ文書の中で「気付く」「気づく」、「スマートフォン」「スマホ」、「アンドロイド」「android」などと表記がブレることを「表記揺れ」と言い、これがあると文書全体が幼稚に見えてしまうものです。
一例としてMicrosoft Wordには「表記揺れチェック」という機能があるので活用しましょう。また、「そもそもどちらに統一するべきか」と迷う場合は、「記者ハンドブック」という本を参考にすることをおすすめします。
途中から略称を使う場合は注釈を付ける
ただ、例えば最初だけ「スマートフォンアプリケーション」と表記して、以降は「スマホアプリ」と記載するなどは構いません。この場合は、最初の表記の段階で「スマートフォンアプリケーション(以下、スマホアプリ)」などとするといいでしょう。
ポイント⑥:誤字脱字がない
やはりプレスリリースは公式文書なので誤字脱字をゼロにするのが理想。ただ、誤字脱字チェックだけにリリースを使うわけにはいかないので、目安として「誤字脱字はゼロが基本、ただしプレスリリース1本につき1回だけなら許容範囲」と考えるといいでしょう。
誤字脱字チェックにはMicrosoft Wordの校閲機能や、Googleドキュメントの「スペルと文法」などが使えますが、絶対に誤字脱字を拾うことができるわけではないので、必ず目視もしてください。
ポイントは「音読(脳内でも可)」と、「音読せずに文字列だけを見る」をそれぞれ1回以上行うことです。前者では誤字脱字があっても勢いで読めてしまう可能性があるので、後者でカバーするイメージ。また、1人でチェックすることには限界があるため、2人以上でダブルチェックすることも大事です。
ポイント⑦:漢字とひらがなのバランスについて
チェックの優先順位は低いですが、漢字とひらがなのバランスについても少し気にしましょう。基本的に「漢字7割:ひらがな(カタカナ)3割」くらいが最も読みやすいです。
そのため全体を確認して、ひらがなが連続しすぎている部分、逆に漢字ばかりになっている部分があれば可能な範囲で調整しましょう(別の言葉を使う、文章を入れ替えるなど)。
ただ、いずれにしても優先順位は低いので(誤字脱字と違ってミスではない)できる範囲で構いません。
ポイント⑧:5W3Hを入れる
文章は5W3Hを意識すると読みやすく、そして書きやすくなります。具体的には以下の通り。
- 誰が(Who)
- 何を(What)
- いつ(wehre)
- どこで(When)
- なぜ(Why)
- どうやって(How)
- どのくらい(How much)
- いくら(How many)
文章によっては5W3Hが全て入らないものもある(特にどのくらい、いくら)ので、自然な範囲で含めるだけ含めるようにしましょう。
ポイント⑨:専門用語は基本的に避ける(例外あり)
プレスリリースを読むのはメディア関係者や一般人なので、基本的に専門用語は使わないようにしましょう。どうしても使わざるを得ない場合は、直後に注釈などを入れてわかりやすく説明します。
ただし専門性の高いメディアに送る場合は、プレスリリースを読む人も記事などに昇華されたものを読む人も専門知識があるはずなので、無理に専門用語を避ける必要はありません。むしろ専門用語を使った方がわかいやすいこともあるでしょう。
ただ、いずれにしても専門用語をあえて使うべきというわけではありません。どのようなメディアにプレスリリースを送るとしても「読み手にとって理解しやすいこと」が第一です。
ポイント⑩:過剰な表現や主観的な表現を避ける
プレスリリースでは過剰な表現を必ず避けて、主観的な表現もできる限り使わないようにしましょう。まず、過剰な表現の一つに「世界初」「業界ナンバーワン」などがあります。数的データなど明確な根拠がある場合は使っても構いませんが、そうでないと嘘でしかありません。
さらにグルメ系で「頬が落ちる」、ダイエット系で「みるみる嬉しくなる」などもやめた方がいいでしょう。これらは過剰がかつ主観的なので説得力がなく、むしろ「きちんとアピールできることがないから誤魔化そうとしている」などと思われる可能性があります。
ただ、「美味しい」など主観的ではあるものの過剰でない表現の場合は使っても構いません。とはいえ「万人にとって美味しいとは限らない」と考える人もいます。また、そもそも「○○の食材のみを使用した」など、他にも「美味しさを連想させる表現」はあるので、あえて「美味しい」などのシンプルかつ、やや稚拙な印象になりかねない表現を多用する必要はないはずです。
プレスリリースは企業の顔。フォーマルに構成しよう(まとめ)
プレスリリースの文章・文体面のポイントについて解説してきました。気にするべきことが多すぎて不安になったかもしれませんが、慣れてくると「個人の感覚やセンスに委ねられる部分」が減るのでむしろ原稿を作成するのが楽になっていくことでしょう。
そしてこれまで文章・文体をあまり気にしてこなかった人がまず目を向けるべきなのは、1文を短くするということです。比較的簡単に実行でき、それでいて「きちんとした文章」という印象が一気に強くなるためおすすめです。
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