プレリリースにアンケート調査結果を入れるメリットや定量調査と定性調査の違いを解説

プレリリースにアンケート調査結果を入れるメリットや定量調査と定性調査の違いを解説

27a1 - プレリリースにアンケート調査結果を入れるメリットや定量調査と定性調査の違いを解説記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレリリースにアンケート調査結果を載せるメリットなどについてお伝えします。

「アンケート調査になんの意味があるのだろうか」という方から、「きちんとアンケート調査をする方法が知りたい」という広報・PR担当者にまでおすすめの内容となっています。

本記事ではプレリリースにアンケート調査結果を載せるメリット、アンケート調査の種類、そしてアンケート調査をするにあたってのポイントなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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プレリリースにアンケート調査結果を載せるメリット3つ

それではプレリリースにアンケート調査結果を載せることの主なメリットを紹介します。広報・PR担当者の皆さんは、これらのメリットを意識した上でアンケート調査を選択肢に入れる、アンケート調査結果を活用するようにしましょう。

メリット①:プレリリースの説得力が増す

例えば「ユーザーに好評だった○○の新商品」よりも、「97%のユーザーが美味しいと答えた○○の新商品」など具体的な数値を示している方が説得力が増します。

数的データがないと場合によっては、「説得力がない」どころか「何かをごまかしている」と思われる可能性もあるため、重要な要素についてはぜひアンケート調査などによってデータを用意したいものです。

メリット②:新商品・新サービスなどがないタイミングでもネタを作れる

アンケート調査結果はそれ自体がプレリリースネタになり得るため、新商品・新サービスなどのリリース予定がない時期でもプレリリース作成に困りにくくなります。例えば専門雑誌・専門新聞に対して業界にまつわるアンケート調査結果を送る、など。

なおプレリリースが直接採用されなかったとしても、メディア関係者に「役立つ情報を送ってくれる」と認識されれば、連絡がきてそこから関係性を構築できる場合もあります。

メリット③:「アンケート結果」は多くの人が好む

多くの人は「ランキング」や「何が○%の人に好まれている」などの情報が好きです。実は「数的データ」が皆さん好きなのかもしれません。

実際、場合によってはアンケート調査結果をプレリリースなどで発信するだけでも、全国紙や全国ネットで扱ってもらえるケースさえあります。

アンケート調査は主に2種類|それぞれの使い分けについて

アンケート調査には主に2種類あります。目的によってどちらを選ぶべきかは異なるので、きちんと使い分けましょう。

①:定量調査|数的データを出す。プレリリース向き

「定量調査」は多くのアンケート協力者からの回答を数値として集計して、分析する調査です。例えば「4択回答が何問かあるアンケート」などがこれに該当します。具体的な数的データを出すことができるため、プレリリース向きです。

②:定性調査|数的データよりも「個人的な評価・感想」などを集める

「定性調査」は「個人的な評価・感想」などを集めるための調査であり、数的データを集める目的ではあまり行われません。例えば「○○を利用した感想を100~200文字以内でお答えください」などがこれに該当します。

数的データを集めるわけではないものの、回答者数が多ければ「具体的には○○という声が……」と複数紹介することで説得力が生まれるかもしれません。

2705 - プレリリースにアンケート調査結果を入れるメリットや定量調査と定性調査の違いを解説商品・サービスの改善点などを探るためにも役立つ

定性調査は商品・サービスの改善点などを探るためにも役立ちます。

この目的でアンケートを取るにあたって、広報・PR担当者が主導するケースは少ないかと思いますが、「質問項目の作り方」「回答の回収の仕方」などにおいてサポートできることはあるかもしれません(他部署に協力して関係性を作っておくことは大事です)。

プレリリースのためのアンケート調査のポイント10選

続いてはプレリリースなどにデータを掲載するための、アンケート調査を行うにあたってのポイントをいくつか紹介していきます。やり方が悪いと正確性の低い結果になったり、予定よりも回答数が減ったりする可能性があるので気を付けてください。

ポイント①:質問数、選択肢の数を多くしすぎない

質問数や選択肢の数が多いと、回答者が疲れて徐々に回答が雑になっていく恐れがあります。また、集計の労力も大きくなります。

そのため質問数は最大で30個くらいにし、1問ごとの選択肢の数も10個程度にしましょう。いざアンケートを作っていると意外とボリュームを増やしたくなるものですが、不要な部分は思い切ってカットすることが大事です(もしくは別の機会に分けてアンケートを取る)。

ポイント②:質問の順番に注意する

質問の順番にも注意しましょう。特に最初は「簡単で答えやすい質問」から開始して、徐々に難しくしていくことで、アンケートに慣れて本音で答えやすくなっていくものです。

また関連性のある質問を並べて答えやすくすることも大事ですが、質問の内容が似ていると、回答者としては「問題を作る側のミスだろうか」とさえ考える場合もあるので気を付けてください。

ポイント③:選択肢の「形式揺れ」に注意

例えば「1:○○ 2:□□」にした場合はそれで統一して、突然「①:○○ ②:□□」にしないなど。アンケートを作る側はついやってしまいがちなミスですが、答える側としては意外と気になります。

ポイント④:選択肢のレベルを合わせる

例えば「1:ラーメン 2:カレー 3:ハンバーガー」などは問題ありませんが、「1:塩ラーメン 2:カレー 3:ハンバーガー」などとなると、1だけ「詳しさのレベル」がおかしいのでNGです。

ポイント⑤:1問で複数の質問をしない

例えば「弊社の商品を購入したことがありますか、それは好印象ですか?」などは、複数のことを質問しているためNGです。わかりにくいだけでなく、「気に入ってはいないものの、他の選択肢がないため仕方なく買っている」という回答を得られなくなります。

この場合は「弊社の商品を購入したことがありますか?」→「『はい』と答えた人にお聞きします~」など質問を2つ用意しましょう。

ポイント⑥:選択肢の並べ方をランダムにする

選択形式の質問の場合、最上位や2番目の選択肢が選ばれやすい傾向にあり、実際の数値からアンケート結果がズレてしまう可能性があります。

そのため回答者によって選択肢をランダムに並べることをおすすめします(紙形式なら複数種類を準備。ウェブアンケートなら機能を使ってランダムにできる場合が多い)。

ただ、例えば「1:好き 2:普通 3:嫌い」など順序よく並べるべき質問については、「1:嫌い 2:普通 3:好き」と反転するだけに留めておきましょう。「1:好き 2:嫌い 3:普通」ではわかりにくいです。

ポイント⑦:「尺度」を答える質問は選択肢をバランスよく

例えば「1:好き 2:普通 3:嫌い」はバランスがいいですが、「1:大好き 2:好き 3:普通」ではバランスが悪く、嫌い寄りの回答を取り逃すことになります。

中央に「普通(どちらともいえない、なんとも思わない、など)」を置き(もしくは中央の2つの選択肢の平均が『普通』になるようにして)、その選択肢をバランスよく挟むことを心がけてください。

そうしないと回答者が「どちらかに偏らせたいのだな」と気付き、モチベーションが下がる、もしくは回答権そのものを放棄されてしまうかもしれません。

ポイント⑧:専門用語などを使わない

アンケートに限りませんが、一般人向けのものにはできるだけ専門用語を使わないようにしましょう。どうしても使わざるを得ない場合は、注釈をつけるなどして誰でも理解できるようにします。

ポイント⑨:必要であればどこかに「この問題は2番の選択肢を選んでください」などを入れる

数ある質問のうちのどれかに、例えば「この問題では、2番の選択肢を選んでください」などと入れることで、真面目に回答していない人を弾くことができます。

ただ、複数回入れると鬱陶しいですし「信じていないのだろうか」とイメージが悪くなるため、入れるにしても1回だけにしましょう。

ポイント⑩:どのような形式にせよ報酬は付けない

報酬があると「早く済ませよう」という心理状態になって、回答が雑になる可能性があるためおすすめしません。

「ポイント付きアンケートサイト」などを利用すれば、報酬付きのアンケートによって回答数そのものは増やしやすくなりますが、精度が下がる恐れがあるのでやめましょう(報酬のためのコストもかかります)。

ただ、「長年自社の広報・PR部署が報酬付きのアンケートを実施していて、すぐに形式を変えられない」などの事情がある場合は、上で解説した「この問題では2番の選択肢を選んでください」などを利用して少しでも精度を上げることをおすすめします。

プレリリースにアンケート調査結果を入れる理由まとめ

アンケート調査だけでもネタを作ることができますし、アンケート調査結果があれば情報の説得力を高めることが可能です。そのため特に力を入れたいプレリリースの場合は、できる限りアンケート調査をすることをおすすめします(他のルートで数的データを用意できるなら必須ではありません)。

そしてアンケート調査にも意外とコツがいるので気を付けましょう。広報・PRのノウハウとは少し違うものですが、「回答する側はどう思うか」「どのような心理状態になるか」などについて考えることは、普段「見た人がどう思うか」を考えている広報・PR担当者にとってそれほど難しくはないはずです。

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