「広報は無料(タダ)だ」は違い!これが嘘だと見抜けないと危険です
「広報は無料(タダ)だ」は違い!これが嘘だと見抜けないと危険です
よく「広報PRは無料で行えるので、有料の広告宣伝に比べると優れている」と言います。
しかし、実際に「無料」なのは広告費用だけです。広告を利用しないので当たり前ですが。
しかし、広報PRが無料なのは一部分だけ!いくらコストがかかっているのか、きちんと計算しましょう
広報活動は無料(タダ)だ」は違いだ
例えばプレリリースを作るとすれば、そのための人件費が発生します。
1本のプレリリースを作るのに丸1日(8時間)かかったとしましょう。
ものすごく乱暴な計算になりますが、社員1人の時給を1500円とすると、例えば
・広報担当者が8時間かかりきり→12000円
・9名に対して社内ヒアリングを10分ずつ→2250円
・上司のチェックに20分→500円
・6名の関係者が10分ずつチェック→1500円
ということで、ざっくりですが、軽く1~2万円に人件費がかかることになります。
また、プレリリースの配信自体も代行企業などを使ってしまうと、1本につき4万円前後はかかります。ですから、「広報PRは広告費が無料だから優れている」という意識は持つべきですが、「完全無料で進められる」などとは思わないことです。
一回でもプレリリースを作れば「タダじゃできないんだな……」と分かるはずですが、全く気付かない場合は大問題です。
広報活動だと「効果」がゼロになることがザラにある
費用対効果。つまり、「かけたコストに対して、どれくらいのリターンがあったか」ということ。
プレリリースを作るのに数万円かかったとしても、どのメディアにも取り上げられないのであれば費用対効果はゼロになります。
一方、広告宣伝は「有料でも、必ず掲載される」ため、下手な広報PRに比べれば費用対効果は高くなります。
広報担当者は「自分の仕事は失敗すれば、何も生み出さない可能性がある作業なのだ」ということを覚悟しておくべきです。逆に「目標を超える費用対効果を達成する」ということを意識しておけば、漠然と仕事をする事はなくなることでしょう。
広報活動はすぐに「効果」が出るわけではない
ですが、広報担当者がいくら頑張ってメディア掲載に繋げたとしても、すぐに売り上げに結びつくとは言えません。
再三お伝えしている費用対効果ですが、正確に言えば「長期的な費用対効果」と考えておくべきです。
しかし、広報以外の部署はそう考えてくれないかもしれません。
誤解を恐れずに言えば「無駄に金を使うだけだし、広報なんていらないんじゃ?」とさえ思われる場合もあります。
だからこそ社内報などを通じてメディア露出をアピールするなどして、「広報担当者は近い未来の売上アップのために頑張っています!」と主張しましょう。
そうでないと、社内ヒアリングなどに協力してもらいにくくなりますし、広報担当自身のモチベーションもさすがに続かなくなります。
プレリリースの一斉配信も費用対効果を劇的に下げる場合がある
プレリリースのコストパフォーマンスを大幅に落とす方法があるので、基本的にはむやみに乱発しないでください。
「プレリリース一斉配信サービスを使う」というものに対しても、誤解が多いのが事実です。「短時間で多くのメディアに配信できるのだから、むしろ費用対効果は高いのでは?」と感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
簡単に言うと、一斉配信をした時点で「みんな知っている情報」になるので、情報としての価値が大きくダウンします。
「安くないお金をかけて一斉配信サービスを使っているのに、効果ゼロ(どこも取り上げてくれない)」という羽目になるのが関の山です。
一斉配信サービスを使うなとは言いませんが、「自社の商品やサービス、情報を取り上げてくれそうなメディアに絞る」などして、情報の価値を守りましょう。
広報担当が仕事の費用対効果を上げるための2つの意識
■1:プレリリース作成完了までの目標時間を決める
半日でも1日でもいいので、プレリリースが出来上がるまでの目標時間を設定してください。そうでないと、ひたすらこだわり続けて無駄な時間を過ごすことになります。
できれば、「その時間をかけると人件費などの『費用』がいくらかかって、メディア露出があるとどれくらいの『効果』が見込めるのか」もだいたいで良いので算出してみましょう。
■2:「広報活動の先にあるもの」をハッキリさせる
つまり、「広報活動やプレリリースによって最終的に何を得たいか」ということです。
それはズバリ「売り上げをアップさせること」ですよね。これは常に念頭に置いておかなければなりません。
しかし、それではあまりにも大雑把ですので、
このプレリリースによって……
・社長の人間として面白さを世間に広める
・会社自体の知名度を上げる
・メディア露出により社員のモチベーションを上げる(例:テレビに出ればやはり嬉しい)
・売上や店舗への来店に直結させる
などの具体的な目標を持ちましょう。
そうでないと、「プレリリースを作ることそのものが目標」、もっと言えば「資料作りで時間をつぶして給料をもらうのが目標」という最悪のパターンに陥ります。
Source: PR最新情報