課題の見える化
経営管理のキーワードとして、「見える化」に注目が集まりました。
いろいろな捉え方がありますが、ここでは 「戦略実行に関する課題の見える化」として考えていきたいと思います。
現場は生き物。事実をありのままに見るとことの価値は非常に大きい
あなたは、こんなことを考えたり経験をしてはいませんか?
同じような商品やサービスを扱っている競合他社。顧客に何とか自分のところから買ってもらわなければならない。
そこで、ライバル企業の動向をより早く把握し、少しでも差別化したものを提供して、顧客に選ばれようと奮闘している。
ところが、競合他社も状況は同じ。値下げであれ、品揃えであれ、ライバル企業の動きをみながら、この勝負に勝つために戦略を練り直す。
そこまでて苦労し、世の中に取り残されないようと時間に追われているのに、顧客はいつも気ままだ。
少しでもライバル企業の方が良いとわかれば、あっという間に気持は傾く。
でも、そんな奮闘と努力の甲斐もなく、売上も利益も報われることは決して多くはない。
・・・・こんな状況です。
ライバルの動向を把握し差別化することは、とても大事なことです。しかし、もっと大切なことが欠けているのにお気づきでしょうか。
「お客様は、何故あなたから買うのか」という理由の確認です。
それも、何度も足を運んでくれる顧客がいるとすれば、何かしらの理由があるはずです。
「何故買ってくれるのか」。
それは、単に価格が安いことや立地が良いことだけでしょうか。
価格の安さはライバル企業にすぐ模倣されますし、立地の良い場所も資本力のある大手企業が確保してしまうかもしれません。
ですから、ここで考えて欲しいのは 「価格以外で、何故お客様が買ってくれるのか」という理由です。
「何の理由ないお客様は、何の理由もなく去っていきます。
「お客様は、何故あなたから買うのか」にこそ、事業の価値をもたらしている源泉が隠れており、価値向上のネタがあるのです。
あなたの事業ならではの魅力を形作るネタは、今の顧客にあります。
そして、 それを一番感じているのは、お客様と日常的に接している現場です。
ですから、「顧客は何故あなたから買うのか」を現場に、そして顧客に、何度も繰り返し確認することが大切です。
3つの見える化を一体として捉え、実践して事業を変革
「戦略実行に関する課題の見える化」は、業務変革を仕上げるためのステップです。
一挙に「戦略実行に関する課題の見える化」を成し遂げられれば、何もいうことはありません。しかし、企業にはさまざまな想いを持った人々が働いています。
正直な気持ちを話せば、今のままが一番良いと思っている人が多数を占めるのではないでしょうか。
何か新しいことにチャレンジするために、今までのやり方を変えることには、少なからず抵抗感があることでしょう。
「見える化」は、いままでの業務の常識や当たり前と思われている部門構成、それに組織階層にまで議論が及びます。そうでないと、業務を本格的に変革することはできないからです。
こういうことに対して、ベテランで長年勤務されている方であれば、これまでのやり方を否定されるようなことが意見として出されるだけでも反発したくなるでしょう。
何の前提もなく、当事者からすれば感情的に反発したくもなるような事を題材として取り上げれば、議論すること自体に我慢ならないことでしょう。
ですから「戦略実行に関する課題の見える化」を議論する前段として、「決算書の見える化」と「業務プロセスの見える化」という手順を踏むことをお勧めします。
1.「決算書」で実態を把握、危機意識を共有する
「決算書の見える化」で、事業の実態をあからさまにし、 危機意識を共有します。
2.「業務プロセス」を棚卸し
そして、何かをしなければならないという気持ちを元に、「業務プロセスの見える化」で、 業務のあり様を棚卸しします。
当たり前と思っている業務の流れの全体像を俯瞰することで、さまざまな気付きが生まれます。
3.顧客視点で事業価値を高める変革
そして、「戦略実行に関する課題の見える化」を単なる業務改善のために利用するのではなく、 事業価値を高めるための変革へと導くために顧客の視点を加えます。
「決算書の見える化」で事業の現実を見据え、「業務プロセスの見える化」で現状の業務の課題が見えると、 「事業戦略と計画の見える化」が目的とする事業変革への意識が生まれ共有されます。
このように、「決算書の見える化」「業務プロセスの見える化」「戦略実行に関する課題の見える化」を連携させながら、三位一体でバランス良く実践することで、次にするべきことが見えてきます。
この3つの分野での実績と成果を有するフロンティアコンサルティングは、 売上に直結する三位一体の仕組み作りを支援します。