プレスリリースの投げ込みってどうやるの?方法やメリットデメリットを詳しく解説
プレスリリースの投げ込みってどうやるの?方法やメリットデメリットを詳しく解説
「記事に直結しやすい記者クラブにリリースを投げ込み(配布)したい」
そう思う企業の広報担当者は多いものです。記者クラブへの理解がある広報担当者がいる一方、そもそも記者クラブへの行き方すら分からないという担当者もいるようです。
そこで今回は記者クラブへプレスリリースを投げ込む方法と、記者クラブの意味や活用方法を解説していきます。
プレスリリースの投げ込みとは?
民間企業や個人でも記者クラブにプレスリリースを提供することはできます。このことを業界用語では投げ込みといいます。
投げ込みがうまくいけば効率的に記者にプレスリリースを届けやすくなります。しかし、間違った投げ込みをしてしまうと、当然ながら失敗してしまいます。失敗するだけならまだしも、迷惑な業者として認識されてしまうとブラックリストに入ることも実際あります。
投げ込みのステップ 東京には数多くの記者クラブがある
記者クラブは全国にありますが、東京の場合は細分化されており特に多くの記者クラブが存在しています。ここでは3つとりあげます
・兜倶楽部
・東商記者クラブ
・日銀クラブ
以下説明していきます。
◆兜倶楽部
東京証券所内にある記者クラブです。常時30社の新聞関連と6社の雑誌関連記者で構成されています。兜倶楽部は上場会社、証券会社、運用会社などがプレスリリースの投げ込み、決算発表、株価に重要な影響を及ぼすと想定されるような出来事が起きた時に記者会見を行います。
年4回の決算シーズンともなると、2000社以上の上場会社の代表、経理担当、広報担当が兜倶楽部を訪れ決算資料を配り、記者会見をします。数多くある記者クラブの中でも記者会見の数では突出した記者クラブです。
◆東商記者クラブ
東京商工会議所に設置されている記者クラブです。東京の中小企業が記者会見をする場合、基本的にはこの東商記者クラブですることになります。ただし、東京商工会議所に設置されていますので、東京商工会議所に加盟していなければここで記者会見を行うことはできません。
主に百貨店、コンビニなどの流通や小売、食品、通販などの企業が資料の配布や記者会見をすることが多いようです。
◆日銀クラブ(金融記者クラブ)
日本銀行内にあるのが日銀クラブです。銀行や保険会社といった金融関係の企業がプレスリリースの投げ込みや決算の発表などの記者会見にこの場を使うことが多いようです。主要銀行や生損保企業の決算発表は、兜倶楽部ではなく日銀クラブで行われます。全国紙、通信社、NHK経済部などの記者が多数常駐していています。
中小・零細企業のプレスリリースの投げ込みメリットデメリット
今取りあげたような記者クラブが対象としている案件は大企業になりがちです。
例えば、東商記者クラブは商工会議所に加盟している人が対象ですので、中小企業もしてもおかしくはないのですが、実際に使われているのはほとんどが大企業なのです。
東京の場合、情報を発信する企業の供給量が多いため、メディアからするとわざわざ中小企業を相手にする必要がないともいえます。そのため、小さい企業がこれらの記者クラブを通してプレスリリースを投げ込みしたとしても効果は薄いかもしれません。
◆地方の記者クラブは受け取ってもらえる
一方、地方の記者クラブの場合は事情が変わります。記者クラブは各都道府県の県庁と県庁所在地がある市、地方拠点になっている市にはどこにでも記者クラブがあります。これらの記者クラブは、都内の記者クラブとは違いそれほどプレスリリースが持ち込まれることはありません。そのため記者からも重宝がられ、取り上げてもらいやいのです。
◆記者クラブの探し方
インターネットで「記者クラブ+住んでいる都道府県」で検索すると出てきます。県庁所在地以外になると、市役所に市政記者クラブが入っていることがあります。検索してもでてこないこともありますので、その場合は市役所に電話をし「市役所に記者クラブのようなものはあるかどうか」を聞いてみても良いかもしれません。
◆記者クラブへの投げ込みの方法
記者クラブへの投げ込み方法は場所によっても違うようです。大きく分けて対応は3つに別れます。
・事前に連絡をすることで、許可を貰ってから指定時間にプレスリリースを持参する
・事前連絡なしでも持ち込む
・個人や一般市民は受付不可
そのためにも、記者クラブが入っている建物に電話をして確認してみましょう。県庁や市役所にある「広報広聴課」か、もしくはそれに準じる担当に回してもらい詳細を聞きます。あとは職員の指示にしたがって持ちこむだけです。
問い合わせをした時にプレスリリースの内容を聞かれることがあります。その時に単なる宣伝チラシだと勘違いされると断られることもありますので、電話をする前に何を持っていくのかを頭の中で整理してみると良いでしょう。
記者クラブへの投げ込みの注意点
記者クラブへの投げ込みは簡単にできてしまう反面、対応によってはブラックリストに載ってしまうことも考えられますので慎重に行っていきます
・宣伝のチラシはもっていかない
・記者クラブへの情報提供は加盟各社に同時・一斉にするのが原則
・勝手に解禁日時などはしない
今回は3つ注意するポイントを説明していきます。
◆宣伝のチラシはもっていかない
記者クラブ側の目的を勘違いしてしまうとうまくいきません。企業からすると「宣伝してもらうために投げ込みをする」と考えがちですが、記者クラブに在籍している記者達にすれば「世の中で必要な情報を届けるために記者クラブを設けている」のです。
そのため、記者などメディア担当者からすると、自らの利だけを求める営利事業の宣伝行為に加担をしたくないのです。そのためにも、営利であったとしても社会的に必要であると認識されないものは取り上げてもらえないと考えたほうがよいでしょう。その前提を忘れて投げ込みしたとしても、そのことが発覚して今後お断りと言われてもおかしくはありません。
◆記者クラブへの情報提供は加盟各社に同時・一斉にするのが原則
記者クラブに加盟している会社は大きく分けてテレビと新聞に分かれます。たまに「テレビ局だけに投げ込みをしたい」と思う企業がでてきますがこれは問題行動です。
なぜなら記者クラブに在籍しているメディアは公平に情報を貰えることが基本ルールだからです。メディアにとって情報は一番価値があるものです。その情報が優良であればあるほどどこよりも早く欲しいが本音です。そのために各社はスクープを追い求めます。
しかし、記者クラブで抜けがけが起きてしまうと、メディア側としては面白くありません。記者クラブ内においてメディア各社は公平に同時に一斉にすることが基本です。もしも特定のメディアにプレスリリースを送りたい場合は、直接その会社に送るようにします。
◆勝手に解禁日時などはしない
一般の企業がプレスリリースにおいて、報道の解禁日時を指定していることがあります。「〇月〇日〇時よりこのプレスリリースを解禁します」といった内容です。そもそも解禁付きのプレスリリースとは、事前に報道主体とメディアで報道協定が結ばれているものに限られています。
その事情を知らずに解禁付きにしてしまうと、メディア側から反発される恐れがあります。解禁をつけることが問題なのではなく、理由なき解禁が問題なのです。しかるべく理由があればメディアも納得してくれることもあります。そのためにもまずは記者クラブの幹事にあたる会社に相談することをおすすめします。
◆記者クラブへの投げ込みのタイミングは
記者クラブによって状況が変わることがありますので、まずは訪問する予定の記者クラブに直接聞いてみるのがベストな選択です。
一般的な話でいえば、午後を過ぎたあたりからは記者達は比較的に落ち着きやすいといわれています。というのも、新聞社の場合は夕刊の締め切りが終わって、ランチを食べたあとぐらいだからです。もうひとつは午前10時頃も良いです。それ以降になると忙しくなりますが、その前の段階だからです。
◆記者クラブを訪問したら職員さんの指示に従う
「記者クラブに訪問したら事務の職員さんだけだった」というのもよく聞く話です。そこで長々と話をするのではなく、挨拶をして自分が何者であるかを名乗り、何の要件かということを手短に話します。
投げ込み自体はそれほど手間がかかるものでもありませんので、職員さんの指示に従って粛々と行います。もし、その場に幹事社がいて名刺交換できそうであれば、しておくとあとあと話がスムーズになることがあるかもしれません。
◆記者クラブに投げ込む費用は印刷費用と交通費のみ
プレスリリースを記者クラブに投げ込む際に費用がかかるのかと言われれば、特に記者クラブから費用を請求されることはありません。あえてあげるとするのならば、プレスリリースを印刷する費用と記者クラブに赴く移動費ぐらいのものです。
その「費用がかからない」ということにつけこみ、むやみやらに自社の営利目的一色のチラシまがいのものが届けられると、今まで一般にも開かれていた記者クラブの門戸が閉じてしまうことが考えられます。あくまでも社会になにかしらの良い影響を及ぼす内容のプレスリリースを記者クラブに投げ込みたいものです。
そして、忘れがちなのですが、記者クラブにいる記者達も人間です。彼らと顔見知りになることで人間関係を構築することができれば、内容が妥当であれば採用される率は今後上がる可能性は高くなります。広報担当にとって必要な資質の1つはコミュニケーション能力です。
◆まとめ
記者クラブに投げ込みをしようという発想は、メールやFAXでプレスリリースを送るよりも担当者に近づきやすくなります。その意味では最良の選択の1つと言って良いでしょう。ぜひとも記者達と会い関係性を作っていきながら、社会にとって有益な情報を送り届けてみてはいかがでしょうか。
Source: PR最新情報
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